【余談】 村田沙耶香 『コンビニ人間』

【余談】 村田沙耶香 『コンビニ人間』

本書では、大学1年生以来、就職もせず、結婚もせず、
18年間コンビニでアルバイトを続けてきた 「変な人」 古倉から見る
「普通の人」 の世界と視点が滔々と独白されている。

  皆、変なものには土足で踏み入って、
  その原因を解明する権利があると思っている。

  私にはそれが迷惑だったし、傲慢で鬱陶 (うっとう) しかった。
  あんまり邪魔だと思うと、小学校のときのように、
  相手をスコップで殴って止めてしまいたくなるときがある。(p.61)

30代半ばで、就職もせず、結婚もせず、となると、「異物」 になる。
そして、「異物は静かに削除される」(p.84)。
それは女性のみならず、無論、男性もそうだ。
古倉同様、30代半ばで古倉と同じコンビニにアルバイトで入った白河は、
そのコンビニにすら適応できず、「まっとうでない人間」
として処理され、無職になる。

  「皆が足並みを揃えていないと駄目なんだ。
  何で三十代半ばなのにバイトなのか。
  何で一回も恋愛をしたことがないのか。
  性行為の経験の有無まで平然と聞いてくる。
  『ああ、風俗は数に入れないでくださいね』 なんてことまで、
  笑いながら言うんだ、あいつらは!
  誰にも迷惑をかけていないのに、ただ、少数派だというだけで、
  皆が僕の人生を簡単に強姦する
」 (pp.89-90)

――本書を読みながら、ふと我が身を振り返ると、
いやぁ……そういえば、おれもここまで、
まず、この 「普通の人」 サイドに来るまでに、
相当ハードルが高かったなぁ……という感慨が
あらためて湧いてきた。

私も、いわゆる 「普通の人」 より、
就職が遅く、結婚も遅く、出産も遅かったためか、
数多くの 「普通の人」、特に身内から
頻繁に 「裁判」 されてきた経験があるので、
次の白河のセリフはよくわかる (笑):

  「普通の人間っていうのはね、普通じゃない人間を裁判するのが
  趣味なんですよ。
」 (p.123)

――わかるけど、だからといって、「普通の人」 になることを拒絶したとしても、
「異物」 になり、「正常な人達に削除される」 のも目に見えている。

が、白河が 「普通の人」 から逃げ、隠れようとする一方、古倉は違う。

  「私は人間である以上にコンビニ店員なんです。」 (p.159)

――「私」=「コンビニ店員」 と規定し、
「普通の人」 になろうとするのではなく、
私が私であるために生きている。

すごい……。

最後は感嘆してしまった。
なので、読後感は爽やかだ。

ちなみに、私はコンビニが大好きです (笑)

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