【余談】 川村元気 『億男』

【余談】 川村元気 『億男』

  「死ぬことも、恋することも、人間が誕生したときから
  そこにあったものだ。
  だけどお金だけが、人がみずから作り出したものなんだ。
  人の信用を形に変えたものがお金なんだよ。
  人間がそれを発明し、信じて使っている。
  だとしたらお金は人間そのものだと思わないか?
  だから信じるしかない。
  この絶望的な世界で、僕たちは人を信じるしかないんだ
  [川村元気 『億男』 (文春文庫 [p.229])]

突然失踪した弟の3,000万円の借金を肩代わりした一男は
宝くじで3億円を当て突如大金を手にする。

その大金の使い道を、あるいはその先の 「お金と幸せの答え」 を求め、
大学時代の親友で携帯電話用のアプリを開発するベンチャー企業を立ち上げ、
かつ、それを大手通信企業に売却し、
今や莫大な富をもつの大学時代の親友・九十九に
一男は相談しに行くのだが、3億円の内の500万円ほどを
一晩のうちに飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎで蕩尽、やがて爆睡の後、
九十九と残りの大金が入った旅行カバンがなくなっていることに気づく。

本書は、思いがけず宝くじに当選し大金を手にした一男が
お金と幸せとのかかわりをめぐる解を探し求める物語。

冒頭の引用は、「お金が人をどう変えるか」 のいろいろな見聞の果てに
それでもその答えがわからぬ一男に対して説く九十九のセリフだ。

  「お金と幸せの答えは、すぐに形を変えていく。
  それを決めるのは、僕らなんだ。
  だからこそ僕は、もし人を疑うか、信じるかのY字路があったとしたら、
  信じる道を行こうとふたたび思えるようになった」 (p.232)

本書に登場する人物のいずれもが
お金を求め、振り回され、そして幸せのありかを探していた」 (p.233) が、
私も一男と同様、本書を読みつつ、「お金と幸せの答え」 を探していた。

が、結局、はっきりとした答えはわからなかった (笑)

でも、そりゃそうかも、と思った。

なぜなら、「お金と幸せの答え」 など人それぞれであり、
解がひとつに決まるわけがないからだ。

  落ちぶれたコメディアンが、病に冒されたバレリーナを励ましている。
  「人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ
  チャップリンは言う。
  「戦おう。人生そのもののために。
  生き、苦しみ、楽しむんだ。
  生きていくことは美しく、素晴らしい

  (中略)

  チャップリンは、こうも言った。
  「死と同じように、生きることも避けられない
  だとしたら、僕たちは人生そのもののために戦い、苦しみ、
  そして生きていくしかない。

  勇気と想像力とともに。(pp.234-236)

――これが 「お金と幸せの答え」 をめぐる一男なりの解だ。

その解は、そう、つまるところ、
各々が 「人生そのもののために戦い、苦しみ、そして生きていく」
なかでつかんでいくしかないのだろう。

ちなみに、『億男』、映画化されているので、
そっちも観るっきゃないな。

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