【余談】 【読書】 花田清輝 「サラリーマン訓」

【余談】 【読書】 花田清輝 「サラリーマン訓」

   入社した以上、社長をはじめ、すべて、長と名のつく社の幹部諸君にたいしては、
  つねに、アワレミの心をもって接すること。
  資本家だとか、資本家の手先だとかいって、かれらにたいして、
  絶えず反抗の気勢を示すことをもって義務のように心得ているひとがあるが、
  資本家といえども、人間である。
  しかも、ただの人間ではない。
  やがて没落して、きみからアゴのさきで使われる運命にある気の毒な人間である。
   第一、きみのようなオソルベキ人間をやとっているだけでも、十分、同情に値する。
  したがって、かれらが、きみにむかってお辞儀をしたようなばあいには、
  きみのほうでも三度のうち一度くらいは、答礼してやること。
  それが、人間の人間にたいする当然のエチケットというものである。(pp.79-80)

――人から雇われるよりも、人を使う立場のほうが、
大変なのは明らかだし、「孤独」 であることを、
本訓には、味わい深く、印象に残るよう、したためられている。

   万一、――たぶん、社長のお声がかりで入社したきみのことだから、そんなことはあるまいが――
  万一、クビだといわれても、素直にひきさがってはいけない。
  友人のボクサーを会社へ案内して、軽く社長のアゴをなでてもらうがいい。
   一度、この手をつかったときな、社長は六階の社長室から、自動車を目ざして、
  まっしぐらに会談を走りおりていったが、その道中のあいだ、社長を助けようとする社員が、
  一人としていなかったのには驚いた。みな、ニヤニヤしているのだ。
  まことに社長というやつは、孤独な存在である。(p.81)

[花田清輝 「サラリーマン訓」 梅田卓夫他編 『高校生のための批評入門』 (ちくま学芸文庫)]

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