【余談】 【読書】 河合雅司 『未来の年表』

【余談】 【読書】 河合雅司 『未来の年表』

本書は、現下進行中の少子高齢化や人口減少を100年先まで見据えたうえで、
今後起こりうる数多の問題に対して何をすべきかの案をいくつか提示している。

2017年から2115年までに日本に起きる事象が時系列にまとめられている
「人口減少カレンダー」 (pp.22-23) を眺めていると、寒気を覚える。

衝撃的だ。

特に、2065年以降、「無子高齢化」 (子供を産める若い女性がいなくなり、
高齢化だけが進む状況のこと) の進行の果てに、現在の居住地域の約20%が
「誰も住まない土地」 になると、結果、外国人が無人の国土を占拠する
という終末的なシミュレーションには、唖然とし、暗澹たる気分になる。

   「無子高齢化」 には、もう1つ国民の 「安全・安心」 を根底から
  損ないかねない深刻な問題が内在する。少子化に伴って、自衛官や警察官、
  海上保安官、消防士といった 〝若い力〟 が求められる職種でも、
  例外なく後継者不足に陥るという点だ。(p.143)

――少子高齢化や人口減少は、国民の 「安全・安心」 の確保すら困難に
してしまうという点で、まさに 「静かなる有事」 であり、もっというと、
これは明らかに国難なのだ。それゆえ、「人口減少とは、
『国防に直結する危機』 との認識を持つことが重要なのである
」 (p.145)。

本格的に洒落になっていない。

この未来に起こりうる未曾有の危機的事態を回避するために、
「『これまでのやり方』 や過去の常識を否定し、発想を大胆に転換すること」、
また、「この時代を生きる者すべてが自ら考え、解決策を絞り出す作業」 (p.149)
が求められていると著者は説くが、「静かなる有事」 が現在進行形で
展開されているわけだから、著者のこの切迫した危機感は共有されて然るべきだ。
 
なお、著者は 「日本を救う10の処方箋」 と題してこの国難に臨むための
著者なりの解決策を提示している:

  【戦略的に縮む】
  1. 「高齢者」 を削減
  2. 24時間社会からの脱却
  3. 非居住エリアを明確化
  4. 都道府県を飛び地合併
  5. 国際分業の徹底
  【豊かさを維持する】
  6. 「匠の技」 を活用
  7. 国費学生制度で人材育成
  【脱・東京一極集中】
  8. 中高年の地方移住推進
  9. セカンド市民制度を創設
  【少子化対策】
  10. 第3子以降に1,000万円給付

日本が直面している困難は、

   ①人口減少をもたらす出生数の減少
   ②高齢者数の増加
   ③社会の支え手である勤労世代の減少

――これらそれぞれ要因の異なる3つの課題に
同時に立ち向かわなくてはならない点にあり、
無論、いずれも優先順位は高いが、あえてひとつを挙げるとすれば、
やはり、少子化対策であろう。

それも 「子供を持つことに大きなメリットを感じられるような対策」 (p.190)
であるべきだ。

だいたい従来の児童手当のような 「子育て支援」 程度で出生数の増加を
期待するほうがおこがましい。

子供を持ったとしても、経済的にも精神的にも安心して子育てに励行できる、
さらには子供を持つことにより生活していくうえで大きなメリットを享受できる
――このような後ろ盾があってこそ、心置きなく子供を産めるのだ。

だからこそ、「第3子以降に1,000万円給付」 という対策には激しく同意する。

財源も著者が提唱する 「社会保障費循環制度」
(社会保障に投じる予算を、世代を超えて循環させる仕組み) で
確保できるのであれば、大いに実施すればよいではないか。

とまれ、本書を通じて、少子化が、
「国家を根底から揺るがす 『静かなる有事』」 (p.192)
であることが改めてひしひしと確認できた。

MUST READ.

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