【余談】 【読書】 ポール・クルーグマン 「ホワイトカラー真っ青」 (山形浩生訳)

【余談】 【読書】 ポール・クルーグマン 「ホワイトカラー真っ青」 (山形浩生訳)

本エントリーは、経済学者ポール・クルーグマンが20世紀末時点に書いたもので、
21世紀末の経済、職業、都市、教育等がどう変容しているかの未来予測である。

今から10年、いや、15年以上前に読んだことがあるにもかかわらず、
いまだに頭に残っているので、ひさしぶりに改めて読み返してみたが、
その内容は古びるどころか、むしろ過去に読んだ頃よりも
身近に感じることが多く、新鮮で、その見通しの正確さに驚いている。

以下、印象に残っている部分を箇条書きで抜き出し、コメントを添えてみよう。

  ■ 一時は自信たっぷりだった人工知能の動きは、敗北につぐ敗北を喫した。
   この動きの創始者の一人マーヴィン・ミンスキーが絶望をこめて語ったように
   「人々が漠然と、常識と呼んでいるものは、実はわれわれが崇拝する高度技術の
   ほとんどよりも複雑なのだ」。そして物理世界にとりくむには、常識が必要だ
   ――だからこそ 21 世紀末の現在でも、ロボット水道修理工はいないんだ。

  → であれば、2025年の段階では、尚更、「ロボット水道修理工はいない」
   なんてことはないし、パワーワーク系がAIの台頭により、
   仕事が奪われることは今世紀中はないのかもしれない。

  ■ 21 世紀末のアメリカは、定型情報処理をものすごく高効率でこなせる。
   だからこそ、伝統的なホワイトカラー労働者はほとんど消滅してしまったんだ。

  → AIの台頭により徐々に消滅していくのは、「伝統的なホワイトカラー労働者」 であり、
   この事態は2018年末の現時点でも絶賛進行中で、2025年頃には相当数削減されているに
   違いない。

  ■ 天然資源はどうでもよくなるどころか、これまでよりもっとだいじになってきたのは
   明らかだった。19世紀の富は産業で築かれ、20世紀末にはテクノロジーで富が築かれた。
   でも今日のスーパーリッチは、一等地の地主や採掘権の持ち主であることのほうがずっと多い。

  → ということは、東京23区内 (に限らず、大都市圏) のロケーションのよい地主は
   相変わらずリッチってことじゃんか。

  ■ 郊外で一時的に栄えたような仕事――おもに、比較的定型化されたオフィス作業――は
   まさに、1990 年代半ば以来大量に削減されつつあったたぐいの仕事だったんだ。
   一部のホワイトカラー職業は、低賃金国に移転した。それ以外はコンピュータに
   とってかわられた。海外に輸出したり、機械で扱えなかったりする仕事は、
   ヒューマンタッチの必要な仕事だった――これにはフェイス・トゥ・フェイスのやりとりが
   必要で、あるいは物理的な材料に直接作業をする人々が、物理的に近いところで
   作業しなくてはならないような仕事だ。つまりこれは、高密の都心で
   いちばんうまくできる仕事で、そこで使われているのは、いまだにいちばん効率のいい
   マストラ・システムだ。
すなわち、エレベータ。

   → 東京都のような大都市は21世紀末においても不滅であり、
    「ヒューマンタッチの必要な仕事」 がコンピュータにとってかわられることはない。
    一方、2018年末の段階ですらそうだけど、もはやホワイトカラー職に対して
    明るい展望を抱くことは今後ないのかもしれない。

  ■ シンボル分析は、コンピュータが非常に得意な分野だ。
   コンピュータが苦手なのはむしろ、現実世界のどろどろした部分だ。
   それに、シンボルはアスマラやラパスにすぐに送信できて、
   そこでボストンのほんの数分の一のコストで分析できちゃう。
   だから21世紀を下るにつれて、それまで学卒の学位が必要だった仕事はだんだん削減されて、
   残った仕事の多くは、世界文学を勉強していなくても、
   それなりに知的な人物であれば十分にこなせるものになった。

  ■ 熟練機械工などのブルーカラー労働者の需要は高かったんだよ。
   これは、高等教育保持者に対する給料プレミアムが上がり続ける時代は終わった
   というはっきりした信号だったはずだ。

  ■ いまでは、職業訓練6ヶ月から12ヶ月しか必要としない仕事
   ――準看護士、大工、家政業 (かつては無給の扶養家族が行っていた家事のほとんどを
   置き換えた職業) など――は、修士号取得者と同じくらい稼げるし、
   まして博士号取得者などよりずっと高給だ。
   だから大学への進学率は、世紀の変わり目をピークに、いまではもう1/3になってしまった。

   → 2018年末の時点で、今後、「高等教育の価値低下」 は必然と捉えたうえで、
    職業選択を行うべきであるし、後進にもこのことはしっかりと伝えてあげたほうが
    betterだ。ましてや自分の娘には、本件、全力で伝えるに決まっている。

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